お酢の始まりは棚田にあり |
世の方々より、二(ふた)足早く、夏休み休暇をとっておりました。
あいにく 台風にしっかり ぶち当たった訳ですが、
初めて訪れる地で「感動」の多い旅でした。旅の記録は追々…
ですが、ですが…まず、
とにかく一番感動した「お酢」のお話を…
「通り道に、おいしいお酢の醸造元があるから、行ってみようか」
と言うのが話の始まりでした。
訪ねたのが、宮津にある… 「飯尾醸造」扉を開けるとお酢の匂い。
醸造の蔵を見学させていただきました。



今もお酢は手絞りの作業。4人の男性の力でジャッキを回し、この舟口からお酢が出てくる。柿渋でコーティングされた使い込まれた美しい道具。
様々な種類のお酢…ツーンとこない味わい深いお酢。驚きの味です。


いちばんのおどろきは、お米から無農薬で作っていること。
平地だと自分たちが無農薬でお米を作っても結局隣から農薬が入ってしまう…なので隣地の影響をうけない棚田の農地を借り米を作っている。
とはいえ、棚田は農業用機械も入れないので全て手作業だ。
それを純米酒に発酵させ、種酢と水を混ぜ…お酢が出来上がる。その米作りから、純米酒に発酵する作業も全て「飯尾醸造」さんの従業員の方が責任を持ってやっている。
今は、4代目の当主。伝統にあぐらをかかず日々先のことを考えながらの経営ポリシーには頭が下がる思いだ。
そういえば、先月参加したセミナーで聞いた…森を育て、製材、プレカットまで日々努力されている「山長商店」さんの姿勢に通ずるものがあり、私の中で勝手にまた感動。
実は、私たちは「棚田」に特別の郷愁の念を持っている。
丹後には、まだあちこち棚田が残っていることを知り、行くつもりで下調べをしていた。
見学のとき話を聞く中で五代目当主の方からおおまかな場所を聞いていたので、次の日こっそり訪ねてみた。
他の地は、海沿いの急斜面にできた棚田だった。中にはもう荒れ果てていて米を作っていない場所もあった、飯尾醸造さんの棚田は山の中、体験農業も地元の人と一緒に行っているそうだ。(詳しくは、こちらを参照ください)
何だか懐かしい所へ帰ってきたような思いに駆られた。
…というのも、私たちが暮らしたブータンで当たり前のように見てきた風景がそこにあったからだ。


この上の2枚は、ブータンのプナカ県で奥に入った村…谷あいにある棚田です。
どうですか何だか似ているでしょう?
上の写真の左上にあるのが仏塔…私が担当していた現場です。(現場まで徒歩30分以上山を登らなければならなかった、、、)仏塔の現場からこの棚田と緩やかに蛇行する川の風景をいつも見下ろしていました…現場はなかなか大変でしたが この風景を享受できたのは、本当に幸せなことでした。
下の写真は、棚田を走る子供たちと、ブータンの民家の里山風景。
ブータンの米も野菜も無農薬。気をつけて調理しないと虫も一緒に加熱してしまいます。
田植えは雨季の直前、娘さん(中にはおばさんも、、、)たちが民族衣装のすそを少したくし上げて唄を歌いながらやるのです。(女の人のほうが働き者らしい…)
JICA専門家の西岡京治さん が広めた日本の農法は、すっかりここブータンで浸透しています。
※ 西岡さんについて、詳しくは、 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』など参照ください。
何故かリンクできず。
というわけで、棚田とお酢つながりの旅は 本当に嬉しい出会いでありました。
飯尾醸造さんのお酢についてまだまだ語りきれないのですが詳しく知りたい方は、
ぜひ飯尾醸造さんのHPを訪ねてみてください。
私も帰ってからHPで知ったのですが、いろいろなTVや本で紹介されているほどの推薦品なのですね。
お酢のレシピなども紹介されています。