2010年 01月 30日
トスカーナの山岳都市1998 |
おととい…ごそごそとプラケースの中からとある地図を探していたんですけれど
横道にそれて、あの日は あんな記事になってしまいました(苦笑)
というわけで…まずは、いちばんまとめておきたかったこの旅の話を…。
1998年7月にトスカーナの山岳都市を訪ねました。
その頃から既に「ツアコン」の能力を発揮していた庭師は…私が上の写真の本「イタリア中世の山岳都市」の中に出ているいくつかの山岳都市へ行きたい!…とクエストをしたところ、インターネットを駆使して各所の行き方を探し出してくれました!航空チケットだけとって行き当たりばったり…の旅でした。
この本のおかげで今でも印象深く残っているすばらしい山岳都市に出会うことができました。
トスカーナの山岳都市…というと代表的なのはサン・ジミニアーノとシェナですがそこからさらに足を伸ばしたのが「バンニ・ディ・ルッカ-Bagni di Lucca」という(バンニ=温泉、ここは温泉保養発祥の地)町です…そこから町の人の足である路線バス(山道なのでミニバス)で山道を上っていった先にいくつもの小さな山岳都市はありました。
町のホテルに2泊し、本数の少ないバスで1ヶ所に降り立ちそから各所へ近場の都市をウォーキングでまわるような行程にしました。(歩くのは我々にとって旅の基本♪)
そのために「地図」は必須アイテムでしたので行った日にバス停にある売店で上の写真にある地図を購入したんです。
山岳都市の集落の配置が明快にわかり今見ても飽きない地図です。
今回はその中でも特に美しい2ヶ所の山岳都市についてお話します。

モンテフェガテーシ-Montefegatesi(842m) は町の北にある都市でちょうどこの三叉路あたりにバスが止まりました。 そこから真っ直ぐ集落へのアプローチを進みます。
ここは、山岳都市としては歴史が浅いそうで、廃墟の家屋もなく街がきっちり機能している様子がうかがわれます。
街の名前は「肝臓と同じ色をした土の山」という言葉に由来するそう。
以上「イタリア中世の山岳都市」竹内裕二著より

↑上: は対岸の道から撮影したもの。アプローチから有機的につながる同じ色をした屋根の集落が美しい。
いちばん高いところには山岳都市の特徴である廃墟化した「城砦…ロッカ」が見える。
↑下:集落ファサードアップ
← ロッカから見下ろす。
尾根に沿って住居が連続している。
その日はそこから町まで歩いて下り、途中ブンニャーノ-Bugnano という廃墟の山岳都市
集落を経て町に戻りました。しかし…歩いている間、ほとんど人に会いませんでした。
イタリア独特の山の風景とその山間に作られた集落の暮らしに思いを馳せながらとっても楽しい道のりでした。腹ペコで…その晩の夕飯も最高に幸せな時間でした。
翌日はバスで東方面へ…この本の表紙にもなっているルッキオ-Lucchio(670m)を訪れました。バスを下りて道からこのファサードを見上げたときは本当に息を呑みました…。
波打ったように斜面に連続する集落はどこから見ても素晴らしい!!
この本の書かれた当時(1991年)で「以前は家族単位の住居数、160より構成された町も今では30人の住人を残すだけとなった」…と書いてあります。
以上「イタリア中世の山岳都市」竹内裕二著より
やはり住人がいてこそ山岳都市が存在するという思いがあるもので…
当時地図を見ると西端の集落まで自動車道路が舗装されていて足を使わなくても良いようにはなっていましたが、あれから20年弱??果たして今この町はどうなっていることでしょうか?


モンテフェガテーシとはまた違った色合いの外壁と赤えんじ色の屋根で構成されたファサード。 やはり山頂には廃墟のロッカがそびえています。



ルッキオは集落の中に入っても魅力的な町でした。
傾斜の歩道の作り出す歪な行き止まりや、たまりの演出のなんと魅力的なこと…。
窓から住人のおばさんが「そっちへは行けないよ」みたいな調子で声をかけてくれました。
その日ここから下った大通りからバスで町に戻り、午後はルッカ(楕円形にくりぬかれた広場で有名な…)へと向かったのでした。( ルッカ-バンニ・ディ・ルッカ間のバスがあります。)
※ 地図、本以外の写真はすべてスライドフィルムをスキャナーしたもの。
これに味をしめた我々は2000年にもトスカーナを訪れ、再び魅力的な山岳都市を巡りました。 そんなお話は、また次の機会にでも…。
天気 晴 最高気温:12.9℃ 最低気温:0.0℃
最高室温:23.0℃(14:27) 最低室温:17.0℃(8:24)
横道にそれて、あの日は あんな記事になってしまいました(苦笑)
というわけで…まずは、いちばんまとめておきたかったこの旅の話を…。

その頃から既に「ツアコン」の能力を発揮していた庭師は…私が上の写真の本「イタリア中世の山岳都市」の中に出ているいくつかの山岳都市へ行きたい!…とクエストをしたところ、インターネットを駆使して各所の行き方を探し出してくれました!航空チケットだけとって行き当たりばったり…の旅でした。
この本のおかげで今でも印象深く残っているすばらしい山岳都市に出会うことができました。
トスカーナの山岳都市…というと代表的なのはサン・ジミニアーノとシェナですがそこからさらに足を伸ばしたのが「バンニ・ディ・ルッカ-Bagni di Lucca」という(バンニ=温泉、ここは温泉保養発祥の地)町です…そこから町の人の足である路線バス(山道なのでミニバス)で山道を上っていった先にいくつもの小さな山岳都市はありました。
町のホテルに2泊し、本数の少ないバスで1ヶ所に降り立ちそから各所へ近場の都市をウォーキングでまわるような行程にしました。(歩くのは我々にとって旅の基本♪)
そのために「地図」は必須アイテムでしたので行った日にバス停にある売店で上の写真にある地図を購入したんです。
山岳都市の集落の配置が明快にわかり今見ても飽きない地図です。
今回はその中でも特に美しい2ヶ所の山岳都市についてお話します。

ここは、山岳都市としては歴史が浅いそうで、廃墟の家屋もなく街がきっちり機能している様子がうかがわれます。
街の名前は「肝臓と同じ色をした土の山」という言葉に由来するそう。
以上「イタリア中世の山岳都市」竹内裕二著より



いちばん高いところには山岳都市の特徴である廃墟化した「城砦…ロッカ」が見える。
↑下:集落ファサードアップ
← ロッカから見下ろす。
尾根に沿って住居が連続している。
その日はそこから町まで歩いて下り、途中ブンニャーノ-Bugnano という廃墟の山岳都市
集落を経て町に戻りました。しかし…歩いている間、ほとんど人に会いませんでした。
イタリア独特の山の風景とその山間に作られた集落の暮らしに思いを馳せながらとっても楽しい道のりでした。腹ペコで…その晩の夕飯も最高に幸せな時間でした。

波打ったように斜面に連続する集落はどこから見ても素晴らしい!!
この本の書かれた当時(1991年)で「以前は家族単位の住居数、160より構成された町も今では30人の住人を残すだけとなった」…と書いてあります。
以上「イタリア中世の山岳都市」竹内裕二著より
やはり住人がいてこそ山岳都市が存在するという思いがあるもので…
当時地図を見ると西端の集落まで自動車道路が舗装されていて足を使わなくても良いようにはなっていましたが、あれから20年弱??果たして今この町はどうなっていることでしょうか?






ルッキオは集落の中に入っても魅力的な町でした。
傾斜の歩道の作り出す歪な行き止まりや、たまりの演出のなんと魅力的なこと…。
窓から住人のおばさんが「そっちへは行けないよ」みたいな調子で声をかけてくれました。
その日ここから下った大通りからバスで町に戻り、午後はルッカ(楕円形にくりぬかれた広場で有名な…)へと向かったのでした。( ルッカ-バンニ・ディ・ルッカ間のバスがあります。)
※ 地図、本以外の写真はすべてスライドフィルムをスキャナーしたもの。
これに味をしめた我々は2000年にもトスカーナを訪れ、再び魅力的な山岳都市を巡りました。 そんなお話は、また次の機会にでも…。
天気 晴 最高気温:12.9℃ 最低気温:0.0℃
最高室温:23.0℃(14:27) 最低室温:17.0℃(8:24)
by baru-nishio
| 2010-01-30 21:09
| イタリア・海外 旅の記録
|
Comments(12)
ルッキオの、最初から計画されていたような統一感が見事ですね。
>インターネットを駆使して各所の行き方を探し出してくれました!
ツアー旅行は苦手なので、自分たちもこんなふうに旅行します。
今なら、あらかじめグーグルのストリートビューでホテルのある通りを歩いたりとか(^_^;
>インターネットを駆使して各所の行き方を探し出してくれました!
ツアー旅行は苦手なので、自分たちもこんなふうに旅行します。
今なら、あらかじめグーグルのストリートビューでホテルのある通りを歩いたりとか(^_^;
0
自分たちもツアーは苦手派です。それにしてもステキな街ですね。山間部での建築はさぞかし大変だったでしょうね。
人間ってスゴイっ!
足腰が丈夫なうちにヨーロッパも行ってみたいと思う今日このごろです、、、、
人間ってスゴイっ!
足腰が丈夫なうちにヨーロッパも行ってみたいと思う今日このごろです、、、、
pagezeniさん
本当、見事ですよね。
城砦の成り立ち興味あります。ルッキオは外観だけでなく路地を歩いても趣があって居心地が良かったです。
自然の山の傾斜から形づくられた傑作ですね。
ツアー旅行…正直考えられません我々も…。
自分たちのリズムでスピードで旅ができるのがいいですよね。
無理をせずゆったりしたプランにするタイプです。
あのストリートビュー、周囲の様子がビジュアルで見れて良い手がかりになります。
本当、見事ですよね。
城砦の成り立ち興味あります。ルッキオは外観だけでなく路地を歩いても趣があって居心地が良かったです。
自然の山の傾斜から形づくられた傑作ですね。
ツアー旅行…正直考えられません我々も…。
自分たちのリズムでスピードで旅ができるのがいいですよね。
無理をせずゆったりしたプランにするタイプです。
あのストリートビュー、周囲の様子がビジュアルで見れて良い手がかりになります。
rantaro_papaさん
砦の役割を併せ持った山岳都市…中世のエネルギーはすばらしいです。
それが今の時代にもちゃんと残っているイタリアの文化継承の姿勢も
尊敬してしまいますね。
私は、アメリカ本土を知らないんです。(グアムには行った・苦笑)
自分の体力にタイミングを合わせてまた出かけたいと我々も思っている
ところなんですよ。(ここ4年以上海外は行っていない)
砦の役割を併せ持った山岳都市…中世のエネルギーはすばらしいです。
それが今の時代にもちゃんと残っているイタリアの文化継承の姿勢も
尊敬してしまいますね。
私は、アメリカ本土を知らないんです。(グアムには行った・苦笑)
自分の体力にタイミングを合わせてまた出かけたいと我々も思っている
ところなんですよ。(ここ4年以上海外は行っていない)
20数年前の学生時代、ヨーロッパ建築を見てまわるみたいなツアーで行ったサン・ジミニアーノとシェナを思い出しました。
ルッキオは知りませんでしたけど、素晴らしいですね!
半日くらい時間をかけて歩きまわりたい(^^
いつかまたイタリアに行ってみたいですけど、子供が家を出て行くまでは
当分無理っぽそうです・・・(笑
ルッキオは知りませんでしたけど、素晴らしいですね!
半日くらい時間をかけて歩きまわりたい(^^
いつかまたイタリアに行ってみたいですけど、子供が家を出て行くまでは
当分無理っぽそうです・・・(笑
素敵な街並み・・・。
昔スペインのトレドに行ったことがありますが、
ヨーロッパには、木製住宅の日本には無い魅力がありますね。
・・・って、建築や街並みに関しては、わたしよりbaruさんのほうが
段違いに見識が深いから、はずかし~からあんまりコメントやめとこ~っと。
昔スペインのトレドに行ったことがありますが、
ヨーロッパには、木製住宅の日本には無い魅力がありますね。
・・・って、建築や街並みに関しては、わたしよりbaruさんのほうが
段違いに見識が深いから、はずかし~からあんまりコメントやめとこ~っと。
happy_seedさん
私も学生のとき見たサン・ジミニアーノとシェナを見たときのインパクト
忘れられません。
たーくさん、教会建築とか見ましたけれど…結局印象に残ったのは
この2つの都市、集落でした。
そんな思いから、このときはこの本を手がかりに旅をしました。
いつかまた いかれる機会がくることでしょう…。
旅の計画を空想するだけでかなり楽しくなってしまう私です。
私も学生のとき見たサン・ジミニアーノとシェナを見たときのインパクト
忘れられません。
たーくさん、教会建築とか見ましたけれど…結局印象に残ったのは
この2つの都市、集落でした。
そんな思いから、このときはこの本を手がかりに旅をしました。
いつかまた いかれる機会がくることでしょう…。
旅の計画を空想するだけでかなり楽しくなってしまう私です。
ritsuさん
そんな、そんな~ どんどんしゃべっちゃってくださいよー!
こうして過去の旅をまとめているだけでかなり楽しい気分になります。
ritsuさんもトレド…まとめてみてはいかが?(笑)
ヨーロッパは石の文化ですよね…日本とまったく違った文化(人、食も含め)
に触れて…でもやっぱり旅から帰ってくると木の匂いのするここが自分の
居場所だなぁと再認識したりして…。
そんな、そんな~ どんどんしゃべっちゃってくださいよー!
こうして過去の旅をまとめているだけでかなり楽しい気分になります。
ritsuさんもトレド…まとめてみてはいかが?(笑)
ヨーロッパは石の文化ですよね…日本とまったく違った文化(人、食も含め)
に触れて…でもやっぱり旅から帰ってくると木の匂いのするここが自分の
居場所だなぁと再認識したりして…。
はじめまして
フルリーナといいます。
昨年春にモンテフェガテーシを訪れました。
ルッキオも行きたかったのですが、バス族なので日程の関係であきらめました。でもモンテフェガテーシでは、見たことの無い、すばらしいダブルレインボーと出会い、ほんとにすばらしい時間をすごしました。
(URがモンテフェガテーシの旅行記になってます)
フルリーナといいます。
昨年春にモンテフェガテーシを訪れました。
ルッキオも行きたかったのですが、バス族なので日程の関係であきらめました。でもモンテフェガテーシでは、見たことの無い、すばらしいダブルレインボーと出会い、ほんとにすばらしい時間をすごしました。
(URがモンテフェガテーシの旅行記になってます)
フルリーナさん
はじめまして…昨年モンテフェガテーシを旅されたのですね。
探して、我がサイトを訪問くださり ありがとうございました。
先ほど旅行記を拝見させていただきました。
モンテフェガテーシは周囲の集落の中でも新しいと聞きます。
貸家があったのですね。そこに滞在し、すばらしい体験になったことでしょう。
滞在したからこそ虹にであったり、さりげない風景にも目が留まったのでしょうね。
すみません、そちらのサイトにコメントを…とおもいましたが会員登録が必要のようだったので こちらでのお返事で失礼させていただければと思います。
また、よろしければ ご訪問くだされば嬉しく思います。
ありがとうございました。
はじめまして…昨年モンテフェガテーシを旅されたのですね。
探して、我がサイトを訪問くださり ありがとうございました。
先ほど旅行記を拝見させていただきました。
モンテフェガテーシは周囲の集落の中でも新しいと聞きます。
貸家があったのですね。そこに滞在し、すばらしい体験になったことでしょう。
滞在したからこそ虹にであったり、さりげない風景にも目が留まったのでしょうね。
すみません、そちらのサイトにコメントを…とおもいましたが会員登録が必要のようだったので こちらでのお返事で失礼させていただければと思います。
また、よろしければ ご訪問くだされば嬉しく思います。
ありがとうございました。
