ボランティアで活動している芝公園の生物多様性ガーデンのイベントが1月8日行われました。
私はそのスタッフとして参加していました。
そののちにFacebookに投稿した記事をシェアします。
1月8日「生物多様性の庭づくり@芝公園」にご参加いただきましてありがとうございました。イベントの中では参加者の皆さんに、実際にさまざまな作業をしていただきました。
その時、タネまき担当をしていました西尾です^^
みなさまの興味深いご質問に明快な答えが出来ずに終わった部分があり、ここにて補足させていただきます。
撒いたタネは、以前四谷の斜面で採取した在来種のタネをここで育ててきて、そのタネを採取していたものが中心でした。
5種ありましたが、すべて多年草で正直、一年草に比べ発芽から花を咲かせるまで数年時間を必要とします。
(各種の撒いたタネの植物についての詳細は、画像のキャプションを参考にしてください。)
ちゃんと増やす!という目的の場合、雑草のタネなどの入っていないきれいな土でトレーなどに撒く方が確率は良いのですが、今回は芽が出て大きくなったらラッキーくらいの気持ちで直撒きしていただきました。
タネの発芽条件としては、その種にあった発芽温度と水、酸素が必要ですが、周囲の環境にも大きく左右されます。
さて発芽条件としてもう一つ「光」があるのですが、タネには、土の上にぱらっと撒きあまり覆土の必要のない、光があると発芽率の高い「好光性種子」と、土に穴をあけタネを埋めるように撒く、光を遮断しないと発芽率が悪くなる「嫌光性種子」があります。
詳しくは以下のサイトがわかりやすいです。
「好光性種子」「嫌光性種子」の植物も載っています。
一般の方の種まきの記憶というと、ヒマワリやアサガオのタネまきかと思い例として、「ヒマワリやアサガオの種まきと違い覆土は必要ないタネばかりです。」とご説明いたしましたが、その部分に大変ご興味を持っていただきいくつかご質問いただきました。
そういった条件を持つのには、もともと原因があるのではないか?
たとえば、リス(野鳥なども)がドングリを冬場のストックとして埋めておく習性(貯餌)=そういった生物の習性を巧みに使って子孫を残すように進化していった結果、嫌光性種子の特徴を持っているのかという仮説については正解にたどり着けませんでした。
私の経験からよく見るコナラのドングリで、埋まっていないドングリも発芽をしているのを見かけるので・・うーん。
タネは、風を使ったり、タネのはじける反動を利用したり、動物の毛にくっついて遠くまで運んでもらったり移動能力が様々です。スミレなどのタネには「エライオソーム」という物質がタネに付いていて、その物質をアリが好みせっせとタネを巣に運んでいき、アリの行動範囲の中で発芽します。
面白いですよねー。
といった植物たちが、生物の習性などをも利用して子孫を残すしたたかな方法は調べれば調べるほど面白いので、たとえば受粉のための花の形・匂いもそうですし・・そのような情報をご存じでしたらぜひ教えていただきたいですし、今後活動でご一緒する中でともに学んでいけたら楽しいなと思っています。
以下 撒いたタネの植物

四谷斜面から採取 ワレモコウ バラ科ワレモコウ属

芝公園自生 キンミズヒキ バラ科キンミズヒキ属

キンミズヒキ タネ
いわゆるひっつき虫、動物の毛などにくっついて移動する。

四谷斜面から採取 キンポウゲ科 カラマツソウ属

四谷斜面から採取 キク科 シオン属

ノコンギク タネ タンポポと同様に風で移動する、移動能力が大きい。

園芸品種 ユーパトリウム キク科 フジバカマの仲間

ユーパトリウム タネ ノコンギクと同じ形状のタネ
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