土壌のことを考えてみる |
失われてゆく話はよく聞きます。
それを再生するためにはまたそれから途方もない年月を必要とします。
私も山に登りますので、人ごとではなく心して山に登らなくてはと思います。
それとともに、私たちの住む周辺の土壌はどうなのだろうと考えます。
もし私たちがすでにきっちりと造成されている更地を入手していたら…
たぶん何も疑問に思わなかったと思います。
この一年近く暮らした中でおもった 土壌についてのお話です…。
我家の工事はまず樹木伐採から始まりました。
なるべく木は残しましたが(4本)、さすがに下草(ヤマツツジ、スミレ、ツタetc…)まで
残せるわけもなく、きれいに更地となりました。
掘削工事です。表土50㎝は真っ黒でふかふかの豊かな土壌
その下は、ねっとりとして 赤く、固まるとものすごく硬い地盤…建物にはありがたい地盤なのですが、、、
その様子がこの写真からわかることでしょう。
埋め戻しに使う残土は、残した木のまわりに積み上げられた。
土質は当然、埋め戻しのときはミックスされている。ねっとりした赤土の表土に。
暮らし始め 草が生え始めるとそのままいじらなかった部分と、土地を掘り起こして埋め戻している部分(家の周り、設備配管した場所)では、生える雑草の種類も、生長も違うのが明瞭に。
そのままいじらなかった部分は、埋まっていた種や宿根から以前と変わりない種類の草が生えだした。
埋め戻した部分にはやはり、取りきれなかった建築材料も混ざっており、固く赤い土には、なじまない草花も多く枯らしてしまうこともしばしば、、、
土壌を選ばない クローバーやグレコマ、アジュガなどなどグラウンドカバーとなる草を植えていき、堆肥を繰り返して再生してゆくことに。
土の中で虫たちがかきまわし、鳥たちが種を運んでくれ、すこしづつもとの土壌に近づけてくれるのではないかと期待している。一年たって少し「ほっ」としているところ。
「雑木のままの庭」は、一番 時間がかかるものなのかもしれません。
これは、近くで最近 造成工事をしている現場。
平らな土地にするため赤土が盛土された。
雑木林があった記憶も消され、芝生などにおおわれ、庭木が植えられる。
それは、どこでも普通で当然のこと…なのですよね。
以前、森林インストラクター 新村先生のお話をネットで読んだ(asahi.com「どらく」より)
「宅地造成のための更地があっという間にヒメジョオンなどの雑草に覆われますよね。
これは湿潤で土地が豊かな日本ならではのこと。」と語っておられた。
これは近くの空き地の雑草群…でも「ただの雑草」とおもわずにじっくり眺めていると、なんとも健気でかわいい…確かに日本の土地が豊かなことを実感する。
いま、周りは建設ラッシュ。デッキが出来た頃、建売の掘削工事がはじまった空地だったところから、グラウンドカバーに適していると思ってお願いしてもらってきた雑草 …
生長してゆくうち香りや葉の形から、どうもグレコマの雑草種だったようだ、どんどん伸びて広がっている。荒涼とした部分が覆われた。
まだ売れていない周囲の土地の豊かな下草を眺めているうち、
なんとも罪悪感におそわれた私です。
そういっていたら、家は建たないのですが、、、
これからも雑木のもとの美しい姿を忘れず、暮らしてゆきたいものです。
あわてて植えたハーブは、発芽するやほぼ全滅、朝顔もいわゆる害虫にやられ、
でもこれって、なかった所に無理矢理植えたんだよなあ、、、
と植物側にたってみると、ごめんね、なのです。
今は、日当りの移り変わり(日照時間)をチェックしつつ
土を整え、適材適所といいますか、植えたいものを育てるのではなく
そこに合うものを育てていこう、と思っています。
にしても、雑草の種類もどんどん変わっていきますね。
さいきんはカタバミ科のものが多いです。これはかわいいですね。
いやぁ、本当に失敗をくりかえして草木のこと少しづつわかってきますよね。
秋は、春のための下地作りに大切な期間です。
あれこれ、試してみて春に喜びが増える日々を想像し、
お互いに、地道に手入れしてみましょうね。