昔なつかし物干し台 |
一畳くらいの台所と便所はあるものの風呂がない…という家だった。
がそれでも、庭と縁側があったのだ。
庭には、柱が2本立った物干しがあった。(柱の上部に空き缶の笠木がかぶっている)
Y字の棒でさお竹を持ち上げる式のヤツだ!
夏は、桃の木があったので、よく庭で行水をしたものだ。
ふぐのように丸かった妹は、あせもがひどかったからだ。
(桃の葉を煎じた湯があせもに効くという)
そう…物干しの話でした。
小学生の頃の友達の家には、2階の屋根からトントンと上がってゆく物干し台があった。
物干しと言う機能だけでなく、特別な(乙女チック的に)場所と言うか、ちょっとした展望台と言うか…。
子供心に、とってもわくわくする場所だった。友達がうらやましかった。
覚えていないが、60年代を描く映画やドラマには良く出てきたような気がする。
町中の庭のない町家には、よく見る物干し台だった。
実はこの記事を書くにあたって、「物干し台」あたりのキーワードで検索してみた。
なかなか見つからなかった中でやっと見つけたのが「ミュージアム・大阪くらしの今昔館」を紹介していた記事に載っていた写真。展示されている模型だが、まさに”これ”である。なつかしい~。
今も東京なら、本郷とか、根津、谷中といった町の裏道辺りにはありそうな気がする。
最近行っていないが、変わっただろうか?
:「大阪くらしの今昔館でお正月・初詣を楽しむ」と言うタイトルで陸奥賢氏が書いたコラムのなかの写真。掲載日:2006年12月27日
なぜそんなことを思ったかと言うと、
今回作ったデッキは、屋根の上にこそ載っていないが、まさにその物干し台そのもの
のような気がするからだ。
その後私の実家は、うち風呂と子供部屋の増築のため、縁側と庭を失った。
それは、子供の成長とともに致し方なかったことだろう…
それから、40年ほどの月日を経て再び庭と 憧れの物干しと 縁側が
私の元へ戻ってきたのである。
子供の頃の憧憬は忘れられぬ物なのか?私の執着心が強いのか?